-
-
小さな命の大切さを伝える、啓発カレンダーです
- 捨て猫や、家の外に出られるようにして飼われている猫が繁殖。野良猫が増え過ぎた地域では、糞尿による悪臭被害や、無責任な餌やりによるトラブルが起きています。
また、行政の窓口に持ち込まれる猫の総数は年々、減ってきていますが、殺処分されるのは野良猫が生んだ子猫が大半であるという現状は、いまだに変わっていません。
このような問題を解決するため、神戸市では、全国に先駆けて、「 神戸市人と猫との共生に関する条例」が2017年4月に施行されました。そして、市と連携して事業を進める「神戸市人と猫との共生推進協議会」が発足しました。
2020年6月1日現在、12団体が登録されています。神戸新聞社は、協議会発足当時からの構成団体のひとつです。
協議会では、野良猫の繁殖制限のための地域猫活動を支援し、推進する活動や、餌の与え方や糞尿の処理の方法など、野良猫への正しい接し方を伝える活動、猫の譲渡を進める事業などを実施しています。
そこで、神戸新聞社ではこのたび、小さな命の大切さを伝え、猫の譲渡を進めるための啓発活動として、「しあわせ保護猫Calendar 2021」を紹介します。
※「保護猫カレンダー」はエールファンドのプロジェクトであり、「神戸市人と猫との共生推進協議会」の事業とは、一切、関係ございません。 - <事務局>
〒651-0083
神戸市中央区浜辺通4-1-23 三宮ベンチャービル 605号
TEL 078-262-1157
FAX 078-262-1158 -
保護猫たちの生い立ちから知る、猫たちの置かれた現状
- 「しあわせ保護猫Calendar 2021」では、新しい家族のもとで幸せに暮らしている元野良猫たちが、たくさん登場しています。
黒猫のページ(9月)の右上に載っているノア君もその一例です。子猫のときに保護され、大人になるまで保護主に育てられ、運命の出会いを経て幸せになるまでの物語が、2020年12月19日配信の「まいどなニュース」で紹介されました。 - ここでは、ノア君の物語の詳細版を紹介します。
-
子猫のとき首に大けがするも、猫に助けられ九死に一生。元野良猫・ノア君が、本当の家族に出会うまで
-
- (写真は、市営住宅の現場で。野良猫の子猫がたくさん生まれていた)
- 神戸市北区にある市営住宅では、野良猫が100匹以上に増え、糞尿被害などで住民から苦情が出ていた。野良猫を虐待する人もいるとの相談を受けた市民ボランティアらが、2016年の12月から、野良猫の繁殖制限のためのTNR活動(野良猫を安全に捕獲し、不妊・去勢手術をして元いた場所に戻し、命を全うするまでお世話する)を始めた。
-
空き家のベランダにいた黒猫親子
- 2017年5月27日のこと。空き家になっていた1階のベランダで、長毛の黒猫親子を発見。生後約1か月の子猫2匹(キジトラとサビ柄)を保護した。その翌日、母猫がオスの黒猫を抱きかかえていたので、その子猫も保護。「ノア」と名付けてお世話することにした。
-
- (写真は、保護された夜のノア君=写真左下。キジトラのれん君と比べると、少し大きい)
- 神戸市垂水区の保護主宅には、先に連れて帰ったキジトラの男の子・れん君とサビ柄の女の子・みこちゃん、1日遅れで保護した黒猫ノア君がいた。3匹が並ぶと、ノア君の方が少し大きい。れん君たちを発見したとき、周囲に他に子猫はいなかった。母猫がどこかでノア君を見つけ、自分の子どものように大事にお世話していたのだろう。
-
首に傷を負っていたノア君
- ノア君を連れて帰った夜、保護主は、ノア君の首の下が汚れているのに気づいた。ふいてやると、茶色い汚れが付着。よく調べてみると、あごの下から首の付け根くらいまで大きく腫れている。汚れを拭いているうちに、傷口から大量の血膿が流れ出た。
- 翌日、動物病院で診察を受けた。獣医師の説明では、「猫か何か、動物に首をかまれたようだ。膿が出てしまったので、このまま自然に治ります」。化膿した傷から大量の膿が出きった状態だったが、ノア君は感染症を起こしかけていたのか、それから数日間は熱が出て、意識がもうろうとしているときがあった。
-
自傷行為。流血しても尻尾をかみ続け…
- 目の前で猫じゃらしを振っても全く無反応。まっすぐ歩くことができず、急にバタンと倒れたり、じっと動かなかったり。そしてある日、自傷行為が始まると、流血してもかみ続け、ついには尻尾の先から5㍉くらいをかみ切ってしまった。これ以上、エスカレートとすると危険なので、エリザベスカラーを着け、尻尾をかめないよう防御した。
-
- (写真は、自傷行為で自分の尻尾を何度もかみ、とうとう先をかみ切ってしまったノア君)
-
取り戻した子猫らしさ
- 保護主が留守のときと夜間の就寝中は、ケージの中で安全を確保。帰宅すると、真っ先にノア君の様子を見に行った。ドアを開けると気配に気づいたノア君が大声で保護主を呼ぶ。ノア君をケージから出すと、ひしっとしがみついてきた。
-
- (写真は、エリザベスカラーを着けたノア君。ケージの中でおとなしく留守番をしてくれた)
- 傷が治るにつれて、ノア君の自傷行為はなくなり、子猫らしく活発になった。性格は温厚で、人にも猫にもすぐ打ち解ける。3匹の子猫は本当のきょうだいのようにして育った。
-
- (写真は、尻尾の傷が治ってきたころのノア君。尻尾の先がありません)
-
血液検査で「猫エイズ陽性」診断
- 生後2か月を過ぎたれん君とみこちゃんは、保護猫カフェ「ニャーニャの森」(神戸市東灘区)に預けられ、それぞれ新しい家族に迎えられた。一方、けがの治療をしていたノア君は、健康状態が改善するまで保護主宅で過ごした。その間、猫風邪を引いたり、真菌に感染してあちこちにハゲができたり、下痢が続いたり。ようやく元気になったノア君は、生後半年を迎えるときに去勢手術を受けた。そのときの血液検査の結果が「猫エイズ陽性」。首のかみ傷から感染したのだろうか。
-
- (写真は、子猫のときのノア君。けがが治って元気になってきたころ。生後2か月半~3か月くらい)
- 猫エイズとは、猫免疫不全ウイルス(FIV)に感染することよって引き起こされる疾患のこと。ウイルスそのものの感染力はたいへん弱く、空気感染や接触感染はしない。また、人間にうつることもない。仮に猫エイズウイルスに感染していても、必ず発症するわけではなく、健康状態に配慮してお世話すれば、一生発症しないまま元気に暮らすことができる。
-
- (写真は、高砂の保護猫カフェ「まーぶるかふぇ」での「猫のお見合い会」に参加するノア君)
- ノア君は、猫エイズキャリアだが、発症はしていない。健康な猫と何ら変わることなく生活ができている。食欲もあり、すくすく成長。体重も6キロ近くまでになり、大柄な猫になった。その体格に似合わず、たいへんおだやかな性格で、甘えん坊。やんちゃで、掃除機で身体を吸われてもへっちゃら。とても愉快な猫で、一緒にいると本当に楽しい。かわいい声でおしゃべりをしてくれて、猫と暮らす幸せを授けてくれる。
-
- (写真は、洗濯槽に入って遊ぶノア君。やんちゃ坊主です)
-
新しい家族を求め、譲渡会を転々
- 元気になったノア君は、新しい家族との出会いを求めて、あちこちの譲渡会に参加した。初参加は生後8か月のときで、すでに大人猫のような立派な体格。興味を示して声を掛けてくれる人はいたが、「猫エイズ陽性」であることを話すと、去っていく。
- 残念な結果にもめげずに、何度も何度も譲渡会に参加するノア君。「一緒に行こうか」と声をかけると、自分からキャリーケースに入ってくれた。
-
- (写真は、Nekoclubくーにゃん=神戸市中央区=での譲渡会に参加するノア君。ここで、Iさんとの運命の出会いが待っていた)
- 会場では、小さなケージの中で2~3時間を過ごす。その間もじっと我慢。ケージの前に来て、ノア君に興味を示してくれる人には一生懸命、すり寄ってアピールしていた。そんなノア君がいじらしく、また不憫でもあった。保護主が声をかけると、目を細めながら、ゴロゴロと喉を鳴らすのだった。
-
- (写真は、後輩の保護猫とまったりするノア君。穏やかな性格で、どんな猫とも仲良くなれる)
-
運命の出会い
- そして、2020年1月。2歳を過ぎたノア君に、運命の出会いがあった。
- 男性のIさんに、なでてもらってとてもうれしそうにするノア君の様子から、「この人」と決めたのだと、保護主は察した。1月25日の夜から、Iさん家族・ふたりと1匹の同居生活が始まった。
-
- (写真は、トライアル中のノア君。緊張感いっぱいの毎日で時々、粗相もした)
- 小さいときからたくさんの猫に囲まれて暮らしていたノア君は、環境の変化に驚き、初日の夜は大声で夜鳴きした。その後も、自分の居場所を探りながら、トイレ以外の場所でもウンチをするという粗相もして、不安な思いを伝えようとしていた。
- しばらくして、大好きなお兄ちゃんの部屋がノア君のお気に入りの場所となった。夜は一緒に寝る。お兄ちゃんの帰りが遅いと、お兄ちゃんの机の上のものを全部、落としてしまうといういたずらをして、びっくりさせたこともある。帰りを待ちわびるノア君に「もうすぐ帰ってくるよ」と、優しく声をかけてくれるお母さん。ふたりと1匹。本当の家族になれるのかどうかを模索した2週間を経て、ノア君の気持ちは決まっていた。
-
- (写真は、正式譲渡の日のノア君。大好きなお兄ちゃんにすり寄り、思い切り甘える)
-
ノア君効果で家族にも絆
- 大好きなお兄ちゃんに甘えて何度もくっついていき、お母さんにずっと抱かれている様子を見て、保護主は心から安堵した。母と息子のふたり暮らしだったIさん宅では、ノア君が来てから会話が増え、「親子げんかもしなくなった」とのことだ。
-
- (写真は、大好きなお兄ちゃんの部屋でくつろぐノア君)
- まだ小さな子猫だったとき、大人猫に助けてもらったノア君は現在、3歳8か月(推定)。さまざまな困難を乗り越えて立派に成長。そして、自分で本当の家族を見つけた。
-
家猫修行中のクロエです!
-
- (写真は、ノア君を助けた長毛の黒猫クロエ。ただいま家族を探して家猫修行中です)
-
「しあわせ保護猫Calendar 2021」
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
1匹の猫との出会いが、私の人生を変えた…
- 神戸新聞読者本部 お客さまセンターの加島督枝(かしま・よしえ)です。今回の「しあわせ保護猫Calender」の企画・制作・宣伝を担当しています。大人になって出会った1匹の猫との出会いから、猫を取り巻くさまざまな問題に関心を持つようになり、ボランティア活動もしています。
私の両親、特に母が猫好きで、子どものころから猫と暮らしていました。社会人になってから、ペット禁止の住宅に住むことになり、初めて猫のいない生活を送っていました。
2012年の8月半ばのこと。当時、私が住んでいたマンションの駐車場に、1匹の子猫が迷い込んできました。生後1か月くらいの茶トラ君。声を掛けたら驚いてしまい、駐車中の車のボンネットの中に隠れてしまいました。
何とか出てきてもらおうと、猫の餌を車の側に置き、夜明け前まで粘りましたが、いっこうに出てきません。あきらめて部屋に戻ってしばらくのうちに、姿をくらましてしまいました。その翌日から、ご近所の住宅の玄関先で鳴いたり、向かいのマンションの植え込みの中に隠れるなどして、しばらくの間、放浪していました。
その茶トラ君を飼いたいという人が現れましたが、私が餌付けして捕まえるまでに気が変わり、「もう、要らない」。無責任な発言にあきれ返る一方で、私に懐いて毎日、餌を待っている茶トラ君を見捨てるわけにはいかない。新たな飼い主を探すのかどうか。うんと考えた結果、私が猫を飼える住宅に引っ越しして、茶トラ君を迎えることにしました。
思い切って、ペット飼育可の中古マンションを購入。新居に引っ越すまでの約1年間、知り合いが保護してお世話してくれました。「保護猫」だった茶トラ君に茶々丸と名付け、私の家族として迎えました。現在8歳5か月になります。 -
- (写真左から、放浪していたころ。保護主宅でお世話されるようになったころ。大人になった茶々丸)
-
地域猫ボランティアらの思いに触れる
- 茶々丸と暮らす新居を探していたころ、私は当時、神戸情報文化ビル(カルメニ)2階にあった神戸新聞ギャラリーの窓口を担当。一般の方の展示会の合間に、新聞社主催の小さなイベントを企画・運営する仕事をしていました。
そのひとつにプロ・アマ問わず、手作りが好きな人たちが集まってギャラリーで作品展を開いたり、販売したりするアートイベントがありました。中でも、猫をテーマにした絵画や手作り雑貨などを展示販売する「ミントクラブの猫展」は、人気の催し物でした。 -
- (写真は、2013年2月に開催された「ミントクラブの猫展」のひとこま。絵や写真約300点を紹介しました。オリジナル判子やポストカード、粘土細工など全国の作家による販売ブースも盛況でした)
-
猫のアートを通して、啓発する
- 子どもから大人まで、希望者はだれでも参加できます。地元関西のクラフト作家さんや地域の絵画教室の生徒さん、授産施設の皆さんが集まり、思い思いに楽しんでおられました。
地域猫活動に取り組んでいる市民ボランティアの方もたくさん来場され、体験談を伺いながら、ボランティアさんたちの熱い思いに触れ、猫にまつわる様々な問題に関心を持つようになりました。
そして、「猫展」の会場に、地域猫活動についての啓発コーナーを設けたり、保護猫たちと猫を飼いたい人たちが出会うきっかけを提供する、情報掲示板を設けたりしました。 -
- (写真は、2014年2月開催の「ミントクラブの猫展」から。ギャラリーでは猫の写真を見ながら、絵手紙を描くミニ教室も開きました)
-
- (写真は会場の様子です。絵手紙やイラスト、写真など約200点を展示。手作りアクセサリーや陶芸作品の展示販売もありました)
-
- (写真は、猫展会場に設けた「啓発展示コーナー」です)
- 「ミントクラブの猫展」は、猫のアートを楽しみながら、猫にまつわる社会の問題にも関心を寄せてもらえたら…と考えての企画。結構、反響がありました。そのときの経験を基に、猫のアートを紹介しながら進める啓発活動について。どうしたら実現できるかと、考え続けていました。
今回の「しあわせ保護猫Calender 2021」は、その第一弾です。
私たちの身の周りには、飼い主に恵まれず、ボランティアらに保護されている猫がたくさんいます。猫を飼いたい人は、ペットショップに行かないで、「保護猫」を迎えるという選択があります。日本で殺処分されている猫の大半が、野良猫の子どもであるという現状から、1匹でも多くの猫が家族のもとに迎えれられることを願って作りました。
カレンダーには、いろいろな毛柄の、表情豊かな猫たちが登場します。多くは元野良猫。飼い主の都合で家を失った元飼い猫もいます。一匹でも多くの猫を救済し、小さな命を守るために、ボランティアたちが愛情いっぱいにお世話しています。新たな家族とへと託された尊い命。今は穏やかな表情を見せる猫たちには、たくさんの"物語"があることをお伝えしたいと思います。 -
「猫助け」は「人助け」…私たちができること
- 野良猫が生んだ子どもや、病気やけがのために医療ケアが必要な野良猫。
飼い主の病気や急死、転居や経済的理由など飼い主の都合で家を失う飼い猫。
繁殖制限の手術をせずに増え過ぎて、世話ができなくなる多頭飼養崩壊…等々。
事情はさまざまですが、猫を介して見えてくるのは、私たち人間が抱えている問題です。
人によって生み出された問題ですから、人によって解決していくことが大事ですし、いつか必ず解決できるのではないかと思います。たとえ考えが異なる人たちの間であっても、お互いに歩みより助け合うことで「何とかなる」こともあるものです。
そして、猫を助けていけば、回りまわって人間が助かることもおおいにある。「猫助け」は「人助け」につながっているのです。 -
ボランティアの役割は様々…あなたにもできる、そして社会のためになる!
- 動物愛護に関心があり、猫のボランティアをしてみたいと考えている方に年齢・性別・職業などは問いません。猫を飼えない方も、猫アレルギーがあって、猫が好きだけれども触れない方も、大丈夫! 猫の保護・預かり、地域猫活動だけではなく、ボランティアの役割はいろいろあります。
興味と関心があるならば、できるところから始めてみましょう。あなたにもできる、すぐにもできる、そして社会の役に立ちます!
例えば、チャリティーグッズの販売による収益が、猫のために役立てられます。このカレンダーも、製作費を除いた売上金は全額、猫の救済活動(主に医療費)に充てられます。
保護されるまでの野良猫は、栄養状態が悪かったり、すでに風邪を引いたりして健康状態が悪いことが多いため体調を崩しやすく、病院にかかることも多いです。急を要する手術もあります。また、障害を持って生まれた猫や、生まれつき身体の弱い猫もいます。
例えば、私の家族になった茶々丸は、生まれつき尿道が細くて詰まりやすい体質です。1歳を過ぎたころから膀胱炎と尿道閉塞を繰り返しました。そのたびに救急搬送し、重症の場合はそのまま入院・治療。大きな手術を2回経験し、現在に至ります。
これで閉塞が治らなければ、最悪は安楽死も避けられない…と、いうところまで悪化して、覚悟を決めたときもありましたが、奇跡的に回復。今は調子が良くて順調に排尿できています。茶々丸1匹の治療で、これまでに、新車が買えるほどの医療費が掛かりました。
保護に関わる餌代や医療費、トイレの砂などの猫の生活用品。それらの費用は、ほぼ全てボランティアの自己負担。中でも、医療費はかなりの高額になる傾向です。
ケアが必要な猫を保護して育てている預かりボランティアさんたちへの支援により、小さな命がまたひとつ、助けられます。尊い命を守りはぐぐむ"命のリレー"に参加して、小さな命をつないでいきましょう。 -
- (写真は、1回目の手術を終えた茶々丸。1歳3か月のころ)
-
猫×多彩なアート=何ができるかな?
- 「しあわせ保護猫Calendar 2021」は、各ページに登場する個性的で愛らしい猫たちの姿に癒されながら、〝猫助け〟ができるチャリティー・グッズです。
猫の表情を豊かに見せ、人々の心をとらえて離さない「猫のひとみ」のように、多彩で魅力的なアートの力で進める啓発事業を「猫のひとみプロジェクト」と名付け、これからも挑戦し続けます。
あなたの小さな志が、多くの尊い命を救う、大きな力となります! ご協力のほど、心よりお願い申し上げます。 -
- (茶々丸より、ごあいさつ「よろしく願しますニャ~!」)
-
応援してね!=保護猫・チーくんの場合
- カレンダーの収益金から医療費を支援することになっている、保護猫チーくん(オス、黒白ハチワレ、生後約半年~1年)を紹介します。
神戸市内の某市営住宅に「お尻をけがしている野良猫がいる」との相談を受けたボランティアが、その猫を捕獲しました。
捕獲時は生後約4か月。尻尾が壊死してなくなり、肛門から腸が飛び出しているような状態でした。
動物病院で診察を受けたところ、生まれつき尻尾と肛門の筋肉がないため、常に5円玉くらい大きさの穴が開いたままであることが分かりました。そこで、腸が外に出ないように固定する手術を受けました。
肛門の筋肉がないために、術後も、少しだけ腸が体外に出てしまいます。お腹の中に便がたまると、腸から自然に便が出てしまうような状態です。
チーくんは膀胱にも問題があります。膀胱が硬くなって十分に収縮できないため、排尿障害があります。
膀胱が尿でいっぱいになると、自然に尿が漏れ出てくるのですが、それだけでは、たまった尿を十分に出し切ることができません。
自力排尿が困難で、常に膀胱に尿が残っている状態が続くと、雑菌が入り感染症を起こしたり、尿毒症を起こして最悪は、死に至る可能性があります。予防のために、1日に何度かお腹をさすって排尿を促すよう、導尿が必要です。 -
- (写真左から、捕獲されたときのチーくん。手術で体外に出ていた腸を固定しました。退院後は、預かりボランティア宅でお世話になっています。医療ケアが必要なので、安全のためケージの中で暮らしています)
-
運命の出会いを待ちながら…
- 術後1か月半入院して後に退院し、今は預かりボランティア宅で〝運命〟の出会いを待つチー君。膀胱と腸の調子を経過観察中です。適宜、必要な治療を受けながら暮らしています。
手術を受けるまでの間、ずっと脱腸したままで、よく生きてこられました。
チーくんのように障害をもった猫は、外の暮らしに耐えられず、いずれ亡くなってしまいます。それを「自然淘汰だ」とする考えもあるようですが、奇跡的に生きてきて、人間によって助けられた命です。助けた命はできる限り守っていきたい。
健康状態について把握し、怖がりな性格を理解の上で迎え入れてくれる家族を探しています。 -
- (チー君は、生まれた時から今まで過酷な生活を強いられてきたからか、たいへん怖がりです。写真を撮ろうとカメラを向けると、まるでフクロウのように身体を膨らませて大きく見せようとします)