-
-
■ 創設150年を迎えた神戸の外国人向けスポーツクラブ
- サッカーにラグビー、ゴルフにテニス…。近代スポーツのルーツを日本でたどると、「神戸」の記憶が強く焼き付いているケースが数多くあります。主役は、開港まもない港町にやってきた外国人たち。活躍の舞台となったのが、9月に創設150周年を迎える外国人向け総合スポーツクラブ「神戸レガッタ・アンド・アスレチック・クラブ(KR&AC)」です。
-
-
-
■ スポーツとともに西洋文化も神戸に伝授
- KR&ACは神戸港の開港(1868年)から間もない1870年9月23日、英国の実業家アレキサンダー・シム氏(1840~1900年)が設立しました。国内では同じ港町・横浜に次いで古い外国人の総合スポーツクラブとされます。メンバーには、仕事で神戸に滞在した欧米の若者らとともに、貿易商や各国の領事、大手企業の支店長らも名を連ねていました。
当初は現在の神戸・三宮の東遊園地やHAT神戸に広大な芝生のグラウンドや体育館、ボートハウスを構え、レガッタやクリケット、野球、テニス、ラグビー、競泳…など幅広い競技のチームを持っていました。最盛期の1900年代前半は会員数が800人を超え、地元の神戸一中(現神戸高校)や御影師範(現神戸大学)などに西洋スポーツの技術を伝授する役割も果たしました。神戸外国人居留地研究会の高木應光事務局長は「関西のスポーツ文化は、KR&ACが育んだ」と強調します。
また、クラブハウスや各種目の大会を地域交流の場としても開放。スポーツだけなく、洋服や洋食などの西洋文化が神戸の日本人に浸透する大きなきっかけにもなりました。つまり、神戸の「ハイカラ」の源泉です。 -
-
-
■ 会員数激減経て、活性化へ前進中
- 戦中、戦後の混乱を経て、クラブハウスが現在の磯上公園(神戸市中央区八幡通2)に移ったのが1962年。神戸の発展とともにKR&ACの存在も輝きを放ち続けましたが、バブル崩壊や阪神・淡路大震災などを経て、神戸から領事館や外資系企業などの撤退が相次ぐようになりました。一方で会員の高齢化も進み、一時は会員数が50人を割り込む水準まで落ち込みました。
名門クラブの灯を何とか守り続けようと、10年ほど前に会員資格を日本人にも開放。併設のテニスコートを使用するテニスアカデミーも始めました。現在は会員数約80人、テニスアカデミーに通う準会員約120人と、徐々に活気を取り戻しつつあります。
「より地域に開かれたクラブに」と活性化に腐心するのが、昨年就任した三木谷研一理事長です。三木谷理事長は兵庫県サッカー協会会長であり、楽天の会長兼社長でJ1・ヴィッセル神戸の会長でもある三木谷浩史さんの実兄です。浩史さんも同クラブの特別顧問を務めるほか、顧問には地元神戸の政財界、スポーツ界などで活躍している「名士」がずらりと顔をそろえています。 -
-
-
■ 記念事業、世界的スター選手もサインで協力
- 150年の節目に合わせ、同クラブでは「神戸とともに歩んできたクラブの歴史を広く市民の方々にも知ってもらいたい」と記念誌の発行を決めました。園田学園女子大名誉教授の田辺眞人さんが監修し、今年の12月ごろに神戸新聞総合出版センターから発行予定です。
一方で、1階にレストランやスポーツジム、2階にバーコーナーやホール、3階に体育館を備える現在のクラブハウスは完成から60年近くが経過し、外壁などに痛みが目立ちます。この機会に、内装を含めた改修工事も手掛けることとし、神戸新聞グループのクラウドファンディングサイト「エールファンド」を通じて広く支援を募ることにしました。
ヴィッセル神戸との深い縁もあり、j1で活躍するスーパースターも記念誌にサインをして支援に協力してくれることになりました。神戸で活躍する外国人選手の“原風景”ともいえる同クラブの150年誌に、世界的スター選手のサインが入っている―というのは、ファンならずとも魅力的な記念品になりそうです。 -
■ 一朝一夕で築けない「伝統」の価値
-
- 2019年秋にはラグビーのW杯が日本で開催され、神戸でも4試合が実施されました。英国を中心に海外のファンがこの港町に数多く押し寄せ、お酒などを片手にスポーツ観戦を心の底から楽しむ文化の魅力に、神戸の人たちも改めて気づかされました。その記憶をさかのぼっていくと、やはり「KR&AC」に行き着きます。伝統が息づくクラブハウスの雰囲気は、一朝一夕では築けない価値があります。
-
ドラマのロケ地候補に登録へ
- また創設150周年の節目を機に、KR&ACは神戸市のフィルムコミッション「神戸フィルムオフィス」への登録手続きを進めています。神戸フィルムオフィスは、映画やテレビドラマ、CMなどを誘致・支援する活動に取り組み、数多くの実績があります。レガッタに始まり、サッカーやラグビー、ビリヤード、ダーツ…。ミナト神戸の発展に尽力し、スポーツを通じて交流を深めてきた外国人クラブの伝統が息づく趣あるKR&ACのクラブハウスが、スクリーンに登場する日も遠くなさそうです。
-
- 今回、支援いただいた皆さんには、同クラブを身近に感じていただけるさまざまな返礼品を用意しています。
-
■ 返礼品
- 〇2500円コース【追加】★20セット
・KR&AC特製布マスク1枚(ロゴ入り) *日本製(相生市の帽子製造業「To.Pi工房」製造)
製造色:ヴィッセルカラー
〇5000円コース ★200セット
・150年記念誌(1冊)
・KR&AC特製カレー(中辛・甘口)食事券(ペアー券)
*同クラブレストランにて
〇7500円コース ★100セット
・150年記念誌(1冊)
・KR&AC特製カレー(中辛・甘口)食事券(ペアー券) *同クラブレストランにて
・KR&AC特製布マスク1枚(ロゴ入り) *日本製(相生市の帽子製造業「To.Pi工房」製造) 製造色:ヴィッセルカラー
〇1万円コース ★10セット
・サッカーJ1で活躍する世界的スター選手サイン入り150年記念誌(1冊)
〇1万円コースB【追加】 ★60セット
・150年記念誌(1冊、ヴィッセル神戸・選手直筆サイン入り ※尚、サインは選手を指定することができませんので、ご理解のうえお申込みくださいませ)
・KR&AC特製布マスク1枚(ロゴ入り) *日本製(相生市の帽子製造業「To.Pi工房」製造)
製造色:ヴィッセルカラー
〇10万円コース【追加】 ★20セット
・150周年特別会員権
(1年間のクラブハウス利用、
レストランでの会員レートでの飲食、同伴者も会員レートを適用)
*審査あり。後日、ご連絡いたします
・150年記念誌(1冊、ヴィッセル神戸・選手直筆サイン入り ※尚、サインは選手を指定することができませんので、ご理解のうえお申込みくださいませ)
・ヴィッセル神戸のホームゲーム観戦にペアでご招待(希望する観戦試合を伺います)
・KR&AC内レストラン食事券(1,000円券×10枚)
////////////////////////////////////////////////////////////////////
※150周年誌の発送予定日が2021年2月末~3月初旬の間となっております。ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。 -
-
創設150周年によせて ~KR&AC・三木谷理事長~
-
-
- 2020年9月に当クラブは創設150周年を迎えました。明治3年(1870年)に創立されてから海外のスポーツ文化を日本に広めた聖地であり、戦争、大恐慌、阪神・淡路大震災など数々の危機を乗り越えてきた歴史あるクラブですので、これからも大切に守り継いでまいりたいと考えております。スポーツ文化と代え難い歴史ある公共的な価値もさらに高めてまいります。今後とも、当クラブへのご協力、ご支援をよろしくお願い申し上げます。
三木谷研一 KR&AC理事長 -
- 神戸新聞関連記事はコチラ
⇓