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- ◇上記写真:1号館の館内・天井の大凧は山口県見島の大凧「鬼ようず」
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保存と公開の夢、自力で実現
- 当館は姫路城から北東へ約10キロ。のどかな田園風景が広がる香寺町にある私立博物館です。「日本~」と大きな名称ですが、現館長井上重義が57年前の24歳の時、郷土玩具の本と出合い、それらが文化財として評価されずに消えゆく状況を知り、山陽電鉄の車掌勤務の傍ら全国を旅して収集。その保存と公開のために展示館を造る夢を持ち、それが実現したのです。
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- ◇上記写真:昭和49年・開館当時の外観
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大きく発展 1984年、日本玩具博物館に改称
- 博物館を設立したのは1974年。新築した自宅の一部を展示館に井上郷土玩具館として開館しましたが、姫路市立美術館や兵庫県立歴史博物館よりも9年早い開館でした。仕事は1970年から神戸の本社勤務になり広報を担当していましたが、「一介のサラリーマンがユニークな玩具館を開館した」とマスコミの大きな話題になり、来館者が増え続けました。
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- ◇上記写真:日本各地の郷土玩具(4号館1階で展示中)
- 開館後、郷土玩具だけでなく、子どもや女性に関わる文化財が評価されずに失われている状況に気付き、近代玩具や女性に関わる手芸品、さらに世界の玩具や人形と収集の対象を広げました。資料の増加に伴い、展示館を増築。規模内容共に我が国を代表する玩具博物館になったため、1984年に日本玩具博物館と改称しました。同時に館長は、人生を博物館の運営に賭ける決意をして45歳で会社を退職。学芸員資格を取得し、現在に至ります。
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- ◇上記写真:ブリキのロボット・昭和30年代(2号館で展示中)
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- ◇上記写真:ウルトラマンほか昭和40年代の玩具たち(1号館で展示中)
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- ◇上記写真:サザエさんなど昭和50年代の玩具たち(1号館で展示中)
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- ◇上記写真:平成時代の玩具(1号館で展示中)
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内外から高い評価
- その後、当館は大きな発展を遂げ、世界160か国9万点に拡大しました。施設は6棟700㎡にもなり、1998年には私設館では全国でも数例しかない「博物館相当施設」に認定され、同年に「サントリー地域文化賞」を、一昨年の日本博物館協会創立90周年記念大会では「特別表彰」(全国で4名)を受けました。
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- ◇上記写真:4号館入り口と6号館への情緒ある小径
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- ◇上記写真:4号館1階・東北地方の郷土玩具
- 2016年にはフランスから調査が入り、「ミシュラン・グリーンガイド二つ星」と姫路城に次ぐ高い評価を受けました。二つ星の博物館施設は全国でも30数館です。さらにオックスフォード大学付属日本研究図書館からも当館出版物の購入依頼があり、10冊を届けたところ、海外からも玩具の研究者が再三来館し、「世界でも屈指の玩具博物館である」と高い評価を賜っています。
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コロナ禍で入館者が激減
- ところが1990年代には年間6万人もあった入館者が、近年は年間2万人を割り込む厳しい状況が続いています。減少の要因は人々の博物館離れや姫路からのバス便が大幅に減少し、香寺地区の地域力が大きく減退したからです。これまで独立採算で運営できたのは、長年取り組んできた女性の伝統手芸ちりめん細工の材料の通販事業や出版物の印税、資料の貸出料などのお陰でした。
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- ◇上記写真:伝統手芸「ちりめん細工」の展示(3号館で展示中)
- しかし、この度の新型コロナウイルスの関係で当館は3月7日~5月22日まで休館。23日から開館しましたが、平日の入館者は一日10名もなく6~8月の入館者数は昨年の3割余しかなく大幅に減少しています。
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私立の悩み 遠い公的支援
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- ◇上記写真:エジプトなど中近東の人形たち(4号館2階展示で展示中)
- 当館は文部科学省から1998年に博物館相当施設(私設館では全国で6例)に認定された館ですが、国からも県や市からも運営に対する支援はありません。公的な施設の場合、運営費の3割も収入があれば成功とされていますが、当館は開館以来46年間、独立採算で運営し、「奇跡の博物館」とされています。
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- ◇上記写真:ロシアの人形たち(4号館2階で展示中)
- 館内には、著名な収集家から寄贈された膨大な資料を所蔵しており、当館が所蔵する資料は私有財産とは思っておらず、本来ならば、社会が守るべき文化遺産であると考えています。皆様のご理解とご支援を得て、当館所蔵の貴重な文化遺産が、社会の財産として後世に遺ることを切に願っています。
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- ◇上記写真:チェコほか、東欧の人形と玩具(4号館2階で展示中)
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販売商品
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- 招待券(入館券)6枚+ドイツ製クリスマスカード(アドベントカレンダー形式)直輸入品
+井上重義館長著『私の玩具遍歴』改訂3版、B5判・45頁、を5,000円(税込み)で用意しています。 -
- ◇上記写真:ドイツのクリスマスカードの画像(一例)…12月1日~24日までの日付を記した窓をめくることができ、開けると可愛い絵が出てきます
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- ◇上記写真:『私の玩具遍歴』
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資金は解説書作製費などに
- 所蔵品による特別展と企画展をほぼ季節毎に6号館と1・2号館で開催しており、お寄せいただいた資金は、特別展と企画展の解説書などの作製費などに活用させていただきます。
- 6号館では11月7日から2021年1月17日まで「世界のクリスマス~ドイツのクリスマス飾りを中心に」を開催。2号館では11月14日~2021年2月16日まで「牛のおもちゃ展」を開催いたします。常設展は1・2号館が近代玩具、3号館はちりめん細工と瓶細工に手まり、4号館は1階が日本の郷土玩具、2階が世界の玩具です。
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- ◇上記写真:ドイツのクリスマス飾り(6号館で11月7日から展示)~
- 当館の展示ケースの延長は約180mもあり、常時約5000点もの資料が展示され、来館者から再三、驚きの声が寄せられています。
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- ◇上記写真:世界の玩具・アジアの玩具の展示(4号館2階で展示中)
- ぜひご来館賜り、展示資料をご覧いただきたく、心からお待ち申し上げています。
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- ◇上記写真:日本各地のだるま(4号館1階で展示中)
- ◆ご利用案内
入館料
一般
個人600円、団体540円
高校・大学生
個人400円、団体360円
子ども(4歳以上)
個人200円、団体180円
※団体割引は20名以上で適用。できるだけご予約ください。
開催時間
10:00~17:00
休館日
水曜日、年末年始(12月28日~1月2日)※祝日の場合は水曜開館。
お問い合わせ
079-232-4388 -
- ◇上記写真:当館の外観
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